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タイルを使った家づくりで、街並みをより上質にしていきたい。耐久性とデザイン性を兼ね備えた建材の魅力

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タイルを使った家づくりで、街並みをより上質にしていきたい。耐久性とデザイン性を兼ね備えた建材の魅力

家の表情を決定づける外装にはさまざまな種類があります。中でも独特の高級感をまとう「外壁タイル」は、クラシスホームの家づくりにおいても多く使用されてきました。

今回は外装タイルメーカー「アイコットリョーワ」中部支店チーフマネージャー・玉木勝美さん、商品企画開発部部長・田中基嗣さん、商品企画開発部主査・山﨑暁生さんクラシスホームのプランナーが膝を交えて、座談会を開催。
外装タイルの魅力や共同開発に際する話、ものづくりにかける互いの熱い思いについて語り合った様子を、前編・後編にわたってお届けします。

前編では外壁タイルの歴史や特長、住まいに取り入れる際のメリット・デメリットについてお話を伺いました。

(以下、クラシスホームプランナー=PL)

美濃焼の産地で生まれ、国内No.1の外装タイルメーカーに

>>>愛知県蒲郡市 K様邸 施工実例「坪庭へと続く路地アプローチの家」より

PL:クラシスホームの家づくりでも使用されているアイコットリョーワのタイル。創業当時から外装タイルを手がけてきたのでしょうか。

玉木さん:当社は1972年に焼き物の里・岐阜県多治見市で創業しました(旧・リョーワ工業株式会社)。もともとは歩道や公園、駅のデッキなどに用いられた舗石タイルを中心に手がけており、国内工場に加えて1989年には中国での生産に乗り出しました。
時代の流れもあり、コンクリートやアスファルトといった多種多様な舗装材が登場し、舗石タイルの使用機会は次第に減少。柱となる事業は、外壁材としてのタイル製造へとシフトしていきました。現在は多治見の本社工場をはじめ、中国に構える4つの自社工場で生産しており、外装タイルメーカーとしては国内No.1の生産力を誇っています。

田中さん:かつて日本の住宅建築では、外装にタイルを使うという文化が脈々と根付いていました。高度経済成長期になると、高層ビルやマンションにも外装タイルが好まれるようになり、業界全体が急成長を遂げたのです。
しかし、ガラスのカーテンウォールの登場や塗料性能の改良により、比較的コストがかかるタイルを使う建築は減ってしまい、ポイント的に使うスタイルが主流に。戸建て住宅においても、太陽光パネルの普及や耐震性・防犯性を重視した家づくりが広まり、外壁材にかけるコストを抑える傾向が強まっています。

雨が降るだけで汚れが落ちる!セルフクリーニングができる外装タイルの魅力

PL:家づくりに携わる上で、他の外壁材にはないタイルならではの優位性も強く感じています。意匠的な高級感もさることながら、大きな特徴のひとつに「耐久性」や「メンテナンス性」が挙げられますよね。

田中さん:そうですね。タイルは土を焼き固めて作る自然素材。約1,300度の高温で焼き締めることで、石よりも強い素材になります。雨や風、紫外線による劣化や変質などもほとんどなく、硬く尖った物で引っ掻いても傷がつかないほど頑強です。

PL:防汚性があり、メンテナンスをしなくても新築の状態がいつまでも続くというのは、きれい好きが多い日本人にとって魅力的だと言えます。

田中さん:焼き物ならではの親水機能により、新築のような美しさを長く保てるというのが外装タイルの真骨頂。タイルの表面を覆う薄い水膜によって空気中の汚れを付着させることなく、雨が降るだけで汚れを洗い流してくれます。このセルフクリーニングの機能性の高さは、他のどんな塗料や外壁材も敵いません。

玉木さん:タイルの懸念点であるコストについても、自社で開発から製造・販売まで完結できる一貫体制により、余分なコストを抑える仕組みを構築しました。「ハイクオリティ&ロープライス」を実現するために、日夜研究と工夫を重ねています。タイルの特性を多くの方に知っていただき、住まいに採用いただければうれしいですね。

PL:クオリティやメンテナンス性もさることながら、お客様が検討・採用しやすい価格であるという点も、家づくりに携わる立場としてはありがたいです。

色や素材感も自在に再現。豊富なバリエーション展開に向けて日々改良

>>>愛知県名古屋市 F様邸 施工実例「暮らしを包み込む家族の止まり木」より

田中さん:安価な外壁材が続々と登場する中、外装タイルは大きさや種類によっては1枚ずつ貼らなくてはならないという大きなハンディも背負ってきました。施工の手間とコストがかかる点から敬遠されることもしばしば。ハンディを乗り越えるため、当社では複数のタイルを組み合わせた「ユニットタイプ」の外壁材を開発。連結部分が極力目立たないように独自の改良を続け、精度の高いものを作り上げました。施工コストを抑えながらも、仕上がりの美しさを保つことができる商品も豊富に展開しています。

PL:御社のタイルが選ばれる理由のひとつとして、商品の豊富さが挙げられます。以前はお施主様に「外壁材としてタイルを提案したい」と思った時に、色や柄、質感など、外装タイルのバリエーションが少ないという弱点がありました。

田中さん:これまではロットやコストのバランスを考慮して、当社でも大量販売が見込める人気カラーを中心に製造してきました。そこには歴史的な日本の住宅事情も大いに影響していたでしょう。20年前くらいまでは南欧風や英国風、北米風などスタイル様式ごとに住まいのイメージが確立されていたので、「このスタイルならこの外壁タイル」と決めて生産していたんです。

山﨑さん:確かにそうですね。ちょうどその頃に私はイタリア留学をしていたのですが、帰国した時、イタリアと日本の景観美の差を強く感じて唖然としました。海外の様々なスタイルの建築物が脈絡無く混在している日本の景観にショックを感じまして……。

田中さん:その後、白を基調としたシンプルでモダンな住宅が脚光を浴びるようになり、画一的な建材ではなく質感を重要視する傾向が強まってきました。そういった時代の流れから、当社も従来の固定概念を拭い去り、石や木、塗り壁、金属の質感をタイルで再現するなど、さまざまなバリエーションにチャレンジしています。

技術革新と挑戦心で外装タイルの新たな可能性に挑む

>>>N様邸 施工実例「慎ましい美しさ」より

PL:グレージュやネイビーなど、これまで外装タイルのラインナップにはなかった色の展開やマットな質感といった新しいタイル開発も積極的にされていますよね。若い世代に人気の塗り壁やガルバリウム鋼板を使った外壁のニュアンスも、タイルで表現できれば鬼に金棒だと思います!耐久性や防汚性も備えた外装タイルを選ぶお客様も飛躍的に増えるでしょう。

田中さん:「どのような色や素材感が求められているのか」を考え、時代や最新のニーズを探りながら新しい活路を模索してきましたし、今も私たちのチャレンジは継続中です。その中で、感度の高いお施主様が多く、その思いをカタチにする提案力・設計力・技術力を持つクラシスホームとの出会いは、新たな商品開発に向けて大きく前進するきっかけになったと思っています。

PL:ありがとうございます。「タイルの可能性をどんどん追求したい」という御社の熱い思いを伺った時、私も「ハイクオリティな家づくりのために、要望や意見をぶつけてみよう」という思いが膨らみました。たとえ今すぐに実現しなくても、ちょっとした発想から新しいタイル文化が生まれるかもしれない。そんな期待感も込めて、わがままをたくさん伝えさせていただいています。すでに新しい共同開発商品も誕生していますし、現在進行形で進んでいる新商品も完成が楽しみです。

後編では、アイコットリョーワとクラシスホームが共同開発した商品についての開発秘話や、外装タイルの施工例についてお届けします。

株式会社アイコットリョーワ
“世界の街並みを、より上質にしていきたい”という思いのもと、焼き物であるタイルの素材力を発信。現在は外壁材としてのタイルを中心に、強く美しいタイルの魅力を引き出し、再発見できる商材を多数開発している。自社工場生産、自社販売によるワンストップ体制で、タイルを使った建築が暮らしに息づき、街の風景として広く浸透するためのコストバリューにも挑戦し続けている。

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