グレーと木目が映える、要塞感を纏った二世帯住宅

高低差のある角地という条件を踏まえ、どの方向から見てもデザイン性が損なわれない様に設計されたI様邸。北面の板金フレームで彩られた窓の立体的なデザインと、直線的な凹凸を組み合わせたデザインが特徴的で、要塞のような重厚感と安心感を感じさせる佇まいです。

柄に変化を付けた2種類の黒いサイディングを貼り分け、アクセントに木目調サイディングを使用しています。黒をメインカラーとしつつも、木目を取り入れることで重くなりすぎず温かな印象もプラスしました。

外観からは建物内がどのようになっているのか分からないような、プライバシー性の高い間取りに設計しています。二世帯住宅という必要な部屋数が多い条件の中でも、スタイリッシュな外観と、中庭を含めた内部に開かれた空間をテーマにプランを完成させました。

玄関は親世帯・子世帯と共有しています。I様のご希望通り、玄関を開けると中庭・リビングが見えるような間取りに設計しました。左に子世帯・右に親世帯へ繋がります。

開放感のある子世帯LDK。鉄骨階段や吹き抜けで縦の伸びやかさを感じさせる大空間は、中庭から南向きの光がたっぷりと差し込む明るい空間になりました。

テレビ面にはエコカラットを貼り、両サイドを黒い部分は内側に収納を設けました。ラグジュアリー感とスタイリッシュなモダンが調和した居心地の良い空間に仕上がっています。

キッチンはグラフテクトのⅡ型（デュエ）タイプをチョイス。深みのあるグレーのクロスに木目調のセットを合わせ、素材感を楽しめるようなコーディネートにしました。コンロがある壁面には、不燃性で汚れにも強いメラミン材を採用しています。

三角の垂れ壁の奥はパントリー。生活感の出やすいストック品をまとめることで、キッチンをスッキリと保つことができます。ダイニングキッチンの照明は折り上げた天井にダウンライトを設置し、よりスマートな印象にしました。

お打合せの際には、リビングだけでなく鉄骨階段やキッチンもそれ自体がインテリアの主役になるようなイメージで仕様決めを行いました。

背面と天井に木目をあしらったトイレ。ナチュラルで落ち着いた印象のトイレは、ユニークなペーパーストックで遊び心をプラスしました。トイレの前には造作の手洗いを設け、お客様の使用時やただいま手洗いに便利な配置としています。

造作洗面台はモダンで落ち着いた雰囲気になるよう、ダークグレーとライトグレーを組み合わせた色遣いにコーディネートしました。使い勝手を考慮してサイドにニッチを取り入れています。

親世帯は床にシックな色合いをチョイスして、落ち着いた印象に。テレビ面にはタイル調のアクセントクロスを用いています。キッチン横には飾り棚とカウンターを設けています。