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家づくりマガジン
2021.05.28

物を使うシーンと頻度をもとに“定位置管理”で実現する、収納美の理想空間

「物があふれて、すぐに散らかってしまう」「すっきりと整理できず、雑然としてしまう」といった経験はありませんか?家づくりで居住空間を一新する場合にかぎらず、家の「収納」や「片付け」に頭を悩ませる方は少なくありません。

そこで今回のコラムでは、物によって異なる最適な収納方法や、“見せる収納”と“隠す収納”のバランス、そしてリバウンドしないためのコツなどを紹介します。整理収納アドバイザーの資格をもつスタッフにも、話を聞きました。収納の基本的な考え方を知り、快適で暮らしやすい住空間を実現しましょう。

 

収納上手は暮らし上手。日々のモチベーション向上にも効果的

適切な収納を行うことで、部屋がきれいに片付くのはもちろん、ほかにもメリットがあります。

  • 探し物の時間がなくなり、効率アップ
  • 二度買い、無駄買いの抑制
  • 仕事、学習面の意欲も向上

何がどこにあるかが頭に入っていると、使いたい時にすぐ取り出せるため、探し物に時間を割くことが少なくなるでしょう。こうして物が整理されることで、家事や仕事の効率がアップするという効果も期待できます。

また、日用品や衣類など所有している物の量をしっかりと把握しておくことで「同じ物を買ってしまった」という二度買いを防止。必要以上に購入しない癖をつけることで、トイレットペーパーやティッシュペーパーなど、まとめ買いをしがちな物でも在庫過多を防ぐことができるでしょう。

日用品や衣類に限らず、物が多い場合は、居住空間をきれいにキープするために広い収納スペースが必須となります。そのスペースを確保するために、家賃はもちろん建築にかかる費用も上がっていくものです。余分なストックや不用品を収納するための場所やスペースを必要最低限にすることは、費用やお金の無駄遣いを抑えることにもつながります。予算内でキッチンやリビング、趣味の部屋などこだわりを持ちたい部分に十分な費用をあてるためにも、物の量は「使う分だけ」に抑える習慣をつけておくと良いですね。

そして何より、すっきりと美しい空間では、快適で気持ちよく暮らすことができます。在宅ワークや自宅学習の普及に伴い、大人も子どもも家にいる時間が増えた昨今。仕事や学習の面においても、意欲向上やモチベーションアップにつながるでしょう。

 

シンプルな箱やラベリングを活用し“定位置管理”を実践

収納に関する基礎として、“定位置管理”という言葉があります。一つひとつの物の居場所を決め、使った後も必ず定められた場所に戻すという考え方です。

整理収納アドバイザーの資格をもつスタッフによると、この“定位置管理”の考え方を実現するためには、「使用する場所を考え、物の出し入れがしやすいようにゾーニングすることが大切です」とのこと。

また、「使い勝手の良さは人によって異なるので、自分や家族にとって最適な収納スペースを考えることも重要。ファミリークローゼットにまとめて収納する方が楽だと考える家庭がある一方で、部屋ごとに収納を設けたいという家庭もあります」とアドバイス。家族の習慣や一人ひとりの性格、暮らし方に合った収納場所を見つけることがポイントです。

では具体的に、悩みの多いアイテムについて考えてみましょう。

 

子どものおもちゃ

一つひとつを見るとカラフルでかわいい子どものおもちゃ。ところが、リビングの中で他のインテリアとのバランスが悪く馴染まない、雑然としてしまうと悩む方も少なくないのではないでしょうか。

おもちゃをすっきり収納するためには、白やナチュラル系など、お部屋の雰囲気に合った収納用のボックスを用意することが近道です。

いくつか同じボックスをそろえて、「電車のおもちゃ」「おままごとグッズ」「ブロック」などおもちゃごとに収納するボックスを決めてみましょう。子どもでも一目でわかるように、ラベルや写真を貼るのもおすすめ。子どもがその時に遊びたいおもちゃだけを取り出し、遊び終わった後は自分でしまうことによって片付けの習慣が自然と身につくかもしれません。

 

文房具などの使用頻度が高い小物・雑貨

定位置管理の考え方をもとに、ハサミや輪ゴム、テープや鉛筆などを、引き出しの、どのスペースにしまうか決めます。使う頻度が高い物は、もっとも取り出しやすい手前に配置。使うシーンを想定し、利便性と頻度を考えると良いでしょう。

さらに、誰もが一目で定位置がわかるようにラベリングをしておくと、探す時間を短縮できます。ラベルが貼ってあることで、決められた場所に戻そうという意識も芽生えるでしょう。

 

衛生用品などの日用品

薬や衛生用品、救急箱などは一箇所にまとめておきましょう。おもちゃや文房具などと同様に、引き出しやボックスにラベリングしておくと、いざ必要になった時にすぐ取り出せます。

なお、収納ボックスなどを選ぶにあたり気を付けたいのが、なるべくシンプルで定番の物を選ぶこと。好みのテイストや個性的な色柄の物を選んでしまうと、ボックスを追加する際に「同じ物が購入できない」「好みが変わってしまった」ということもあり得ます。すっきりと見せるためには、統一感も大切。ボックス選びも慎重に行うようにしましょう。

 

“見せる収納”と“隠す収納”の黄金比率は2:8!

収納上級者の切り札とも言えるのが、“見せる収納”“隠す収納”の使い分けです。デザイン性の高い物をディスプレイとして飾ったり、よく使う物を目に見える場所に配置したりする“見せる収納”。対して、引き出しなど、外からは見えない場所に物を収納する“隠す収納”。それぞれのメリット、デメリットを整理しましょう。

 

見せる収納

[メリット]

・お気に入りの食器、デザイン性の高い物などを飾ることで、空間の雰囲気を演出できる。

・好みの物をいつでも眺めることができ、テンションが上がる。

・物を取り出しやすく、一目でどこに何があるかわかる。

[デメリット]

・埃が溜まりやすく、こまめなお掃除が必要。

・物が多すぎたり、テイストが統一されていなかったりすると、ゴチャゴチャした印象に。

 

隠す収納

[メリット]

・生活感のある物を隠せるので、すっきり見える。

・扉や引き出しの中なので、埃が溜まりにくく掃除が楽。

[デメリット]

・扉で覆われる部分が多くなると、圧迫感がある。

・収納している物の場所が一目でわからない。

・物を出し入れする際に、扉や引き出しを開閉する手間がある。

 

整理収納アドバイザーの資格をもつスタッフによると、「“見せる収納”はたくさん並べすぎず、なるべくゆったりと並べるのがコツ。黄金比は〈見せる収納:隠す収納=2:8〉です」。この比率を目安に、“見せる収納”と“隠す収納”を考えると、上品でまとまりのある空間づくりのヒントになります。

「オープンな収納で、サッと取り出せる状態が良い」「扉で隠してすっきりとした見た目を保ちたい」など、適した収納は人それぞれです。自分自身の性格や好みを振り返りながら、使う頻度やシーンを想定して、収納スペースや収納方法を決めると良いでしょう。

 

家づくりをはじめるときはプランの段階から収納場所をイメージ

住まいづくりの中で、理想の収納を実現するためには、家族のライフスタイルや年齢の変化なども鍵となります。家事の動線や家族全員の行動スタイルなどを考慮することで、収納しやすく、散らからない住空間が実現しやすくなるのです。

特に、新築を検討する際には、設計や間取りを検討する段階から、物の大きさや使うシーンなどを念頭に置くようにしましょう。

 

テレビ・パソコン周辺機器

(テレビ上部のニッチに、スピーカーを設置。テレビ背面の壁の仕上げ面を手前に出すことで、壁の中にスピーカーの配線を通し、すっきりと納めることができるよう工夫しています。)

テレビや録画機器、パソコン、プリンターなど電気製品を置く場所は、配線が多くなってしまいがちです。事前に収納・設置する場所を決めておけば、配線を通す棚やコンセント口の場所を考慮し、目立たないように設計することができます。

 

下着類・タオル

(奥には洗濯機。取り出してすぐに干せるだけでなく、乾いたらスムーズに収納も可能。)

洗面所や浴室の隣に、収納棚を設置し、洗濯物を干すスペースを設けたランドリールームを造るケースもあります。タオルや家族の下着、靴下などを収納できるスペースがあることで、「洗濯する」「干す」「収納する」という一連の動線がスムーズに完結! 家事の時間が大幅に短縮できます。

また、シーズンオフの衣類やスーツケースといった物は納戸に、日常的によく着る衣類や使用頻度の高いファッション小物はお部屋のクローゼットに。空間を使い分けるのも一つの方法です。

 

掃除機

(ダイニングテーブルが一体化した造作キッチン。左下に掃除用ロボットを収納する空間をつくり、コンセントも完備。)

掃除のたびに日々使用する掃除機は、LDKの近くに収納を。ところが見える位置に家電を置くことで、インテリアとの見た目のバランスが取りづらい点が悩みどころです。

キッチンやリビングの近くに収納する場合は、家づくりの設計段階から、目立たずに掃除機を収納できる場所や、コンセントの位置を考慮しておくと良いでしょう。

 

シーズン物

クリスマスツリーなど、シーズンに合わせて収納したい物は、枕棚などのデッドスペースを活用して収納しましょう。使う場所と頻度を考えておくことがポイントになります。

 

また、収納用の棚は可動棚の物を選び、子どもの成長などに合わせて使用スペースを変動できるようにするというのも工夫の一つですね。

 

適正量とルール決めで、リバウンドしない収納上手な空間を

せっかく美しく収納し、快適な空間づくりを実現しても、すぐに元に戻ってしまうというケースも考えられます。リバウンドしないためのポイントは、“適正量”を考えること。例えば衣類やタオル、食器、日用雑貨など。自分のライフスタイルや家族構成に合わせて、必要な物の量、数を決めてみましょう。

 

適正量を考えて物の数量を減らす

バスタオルは1人2枚と定めて、洗濯のサイクルなどと照らし合わせながら現実的に可能かどうかを試してみます。もし無理が生じるようなら1枚プラスする、という具合に調整してみてください。

日用品のストックについても、「残り2つになったら買い足す」などルールを決めることで、在庫の置き場所に困るということがなくなります。

 

子どもの物や趣味の物は家族で収納ルールを決める

お子さんが幼稚園・保育園や学校で作った作品を持ち帰ってきた時は、お子さんと一緒に写真に収めてデジタル化するのも管理法の一つです。その時の服装や季節感も一緒に切り取れるので、成長記録にもなります。

また、子どものおもちゃや思い出の品については、ルールを決めるのもおすすめです。収納スペースやボックスを決め、そこに入り切らなくなったら「どれを残して、どれを処分するか」を選択。1年経ったら入れ替えを検討するなど、期限を決めるのも良いでしょう。

子どもの物以外でも、家族それぞれの趣味や、仕事にかかわる物など、リビングに持ち込んで混在させると、テイストが合わないアイテムもあります。アウトドア系はシューズクロークに、漫画やフィギュアは寝室の一角に、子どもの作品は階段の踊り場や壁面に飾るなど、スペースを決めてみてください。

前出のスタッフは「今後、数が増えそうな物を収納する場合は、100%になるまで詰め込まず、少し余裕を残しておくことがコツです。いっぱいになったら、それ以上物を増やさないというルールを作ることで、物があふれにくくなりますよ」とアドバイス。

きれいに整理整頓された空間で快適に暮らし続けるためには、収納によって実現される具体的なイメージを掲げることが大切です。「インテリア雑誌に載っているような空間に暮らしたい」「いつでも気軽に人を招待できる家にしたい」といった目標が、リバウンドを防いでくれることでしょう。

家づくりをきっかけに、趣味室や書斎を造る方も増えています。物ごとにスペースを決めることで、家族全員の共有スペースをすっきりと、統一感のある雰囲気で保つことにもつながります。収納について考えるうえで大切なのは、暮らしの中で本当に必要な物を見極め、適正な収納スペースを割り当てること。“収納美”を実現し、理想の空間づくりを楽しんでみてくださいね。

 

HPでご紹介している「クラシスホームの家づくり」では、クラシスホームの強みについて詳しくご紹介しています。興味のある方はぜひ一度、ご覧になってくださいね。

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