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家づくりマガジン
2022.07.08

空間を塗り替えて住まいをアップデート。インテリアペイントで色を楽しむ暮らし

ヨーロッパなど、海外の住宅で一般的に使われているインテリアペイント。独特の風合いがあり、壁紙の貼り換えのように廃材が出ないエコの観点から、近年では日本でも注目されています。

空間のアクセントに使用したり、家族のライフステージの変化に合わせて塗り替えを楽しんだりと、暮らしの中で思い思いに色を楽しむことができるのも、インテリアペイントの魅力のひとつです。

今回は、水性ペイントの輸入、オリジナルペイントの製造・販売、カラーコンサルティングを手がける「カラーワークス」のカラースタイリスト・三原幸枝さんとクラシスホームのインテリアコーディネーターが対談。インテリアペイントの魅力について、前編、後編の2本立てでお届けします。

(以下、「カラーワークス」三原幸枝さん=三原、インテリアコーディネーター=IC ※敬称略)

前編では、インテリアペイントを取り入れた家づくりのメリットや取り入れる際に気を付けたいことなど、色を楽しむ暮らしについてうかがいました。

ライフスタイルに合わせた塗り替えで、暮らしのワンシーンを印象深くする

 

IC:カラーワークスのこれまでの歩みについて教えていただけますか。

三原:1964年に神奈川県でスタートした、国内塗料の卸販売業を行う秋山塗料株式会社がカラーワークスの前身です。1994年には輸入塗料部門が立ち上がり、身体に害のないインテリアペイントの輸入販売を手がけるようになりました。

海外ではスタンダードとされるインテリアペイントも、当時の日本ではマイナーな文化。自分の心地よい色を見つけることの大切さ、感覚的な充足感といったコンセプトを発信し続け、日本におけるインテリアペイントの普及、浸透に努めてきました。

IC:私がはじめてインテリアペイントに興味を抱いたのは、20数年前にイギリスへ語学留学したことがきっかけでした。カラーワークスさんが日本総代理店を担っている、イギリスの老舗ペイントブランド「FARROW&BALL(以下、F&B)」のショールーム前を偶然通りかかったんです。

色のチップが壁一面に並び、まるでアートのようにカラフルな空間に吸い寄せられるようにして店内へ足を踏み入れました。

三原:日本では、ホームセンターのように缶が陳列されているイメージがありますが、海外はスタイリッシュなショールームですよね。

IC:初めは何を販売している店なのかもわかりませんでしたが、店員さんの話から塗料の店だとわかったときはとても驚いた覚えがあります。

IC:ホームステイ先に行った時もホストファミリーが準備してくれた部屋が、天井も壁もすべてピンク色だったんです。当時の日本の家庭にはあまりない感覚だったので最初は少し驚いたのですが、「あなたのために壁をピンクに塗り替えたのよ」とうれしそうに話してくれて、その気持ちが私自身もすごくうれしかったのを今でも覚えています。

海外には、シーンや使い方によって部屋の壁を塗り替える文化があり、当時の日本では珍しかったのでカルチャーショックを受けました。

三原:インテリアペイントは何度も重ね塗りができるので、住む人のライフスタイルの変化や空間の用途に合わせて、色や質感を変えて楽しめるのも醍醐味ですよね。

たとえば、子どもが幼いうちはピンク色の壁だったけれど、受験生になって勉強に集中したい年頃になったときには、心が落ち着かせられるようにネイビーやブルーなどの寒色系に塗り替えたという方もいらっしゃいます。

成長に合わせて部屋の壁を塗り替えることで、思い出のワンシーンがより印象深くなることもインテリアペイントならではの付加価値だと思います。

手作業ならではの風合いが魅力。美しい色の壁を楽しんでいただきたい

IC:廃材が出ないという点も、インテリアペイントならではの特徴ですよね。

三原:はい。日本で一般的に使用されているビニールクロスは、安価で種類が豊富であるという手頃さがある反面、年間約7億㎡分出荷されるうち、約3億㎡分がゴミとして処理されているといわれています。

インテリアペイントは初期のコストがかかるイメージもありますが、長い目で見るとコストパフォーマンスが高く環境にもやさしい、今の時代に合った選択肢だと思います。

IC:私自身、インテリアペイントが好きで自宅の壁は塗装にしています。照明や光が当たった時の質感は、やはり塗り壁ならではの趣深さがあると思うんです。

一方で、お客さまにインテリアペイントをご提案する際には、仕上がりや経年によるひび割れについてもお伝えしています。均一な美しさが出せるビニールクロスに比べると、インテリアペイントは凹凸や多少のクラフト感が出ます。経年による「クラック」と呼ばれるひび割れが出ることもありますが、それを味わいや温もりと感じるかは人それぞれですので、私たちコーディネーターはメリットとデメリットをどちらもお伝えするようにしています。

三原:そうですね。下地の処理を施すことでクラックを防ぐこともできます。F&Bのペイントは深みのある色が特徴で、光の角度や色によって、表情がとても美しく変化します。手作業ならではの風合いや色の変化を楽しんでくださる方には打ってつけの塗料だと思います。

プライベートスペースにペイントを取り入れて暮らしのアクセントに

光と風と暮らす家/愛知県日進市H様邸

IC:家づくりを考える際、インテリアペイントに惹かれながらも塗り壁に対してハードルが高いと感じられる方もいらっしゃいます。まずは寝室や家族だけが使うトイレなど、プライベートスペースに取り入れてみるのもおすすめですね。

三原:寝室は一日の疲れを癒す空間なので、心がリラックスできるように好きな色で塗るのもいいですね。朝起きたときに「今日も頑張ろう!」と思えるような空間になると思います。

IC:トイレは長時間使う空間ではないので、思い切った色使いで非日常的な空間を演出してみると気分転換にもなりそうです。アートを施すような感覚で遊び心のあるペイントにするなど、自分の好きなように工夫ができるのも魅力のひとつですね。

近年人気のニュアンスカラーなど、色数が多彩なことに加え、大理石調やセメント調、錆のように仕上げられる塗料など、意匠性の高い塗料も増えていますよね。

三原:そうなんです。単色タイプの塗料のほかに、「テクスチャーペイント」という分野も進化していて。艶感や陰影、ムラのある感じなど、塗り壁の可能性が広がっています。

IC:ありがとうございます。

 

引き続き後編では、塗料に関することや施工例など、インテリアペイントを取り入れた家づくりについてうかがっていきます。

★Profile

株式会社カラーワークス

多彩なペイントカラーと上質な質感で、生活を豊かにすることを提案。How toを学べる「ペイントレッスン」や、お客さまのご自宅の色をアドバイスさせていただく「カラーコンサルタンシー」、出張ペイントレッスン「ダイバース」などさまざまなサービスを展開。新築やリノベーションをご検討の方、DIYで壁を塗りたい方は、ショールームで気軽にご相談を。

 

実際にクラシスホームで建てられた住まいが見られる『施工実例』も公開中。カスタムペイントを使った実例もありますので、ご検討中の方はぜひお役立てください。

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