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家づくりマガジン
2021.10.22

心を潤し、生き生きとした生命力が生活にリズムを与える。植物のある暮らしの魅力

意識、無意識にかかわらず、日常の暮らしの中で誰もが目にしたり、触れ合ったりする植物の存在。ふと目に入る緑は、人の心を癒し、安らぎを与えてくれます。生き生きとした緑を愛でるだけではなく、水やりをする、芽吹きや蕾のほころびといった変化に心を寄せるなど、日々の暮らしにリズムを与えてくれる植物たち。玄関、アプローチ、庭、屋内など、家づくりにおいても植物の存在は欠かせません。

今回は、クラシスホームの家づくりにおいて、庭づくりや外構設計などを手がける「GREEN DESIGN EN’S」の代表・寺西惇さんに植物や緑のある暮らしについてインタビュー。前編、後編の2本立てでお送りしたいと思います。

前編では、植物があることで感じられる暮らしの豊かさについて、うかがいました。

(以下、「GREEN DESIGN EN’S」の代表・寺西惇さん=寺西 ※敬称略)

町の通りや住まいに植物があるだけで特別な空間、風景になる

―「EN’S」ではどのようなグリーンを手がけているのでしょうか。

寺西:名古屋市・丸の内や稲沢市のショップでは、一般の方がぶらりと訪れて片手で持って帰れるような小さな鉢から、空間の中で存在感を放つ個性的な樹形の植木まで、幅広くラインナップしています。また、業務の中心である造園については、主に個人邸や商業施設の設計から施工、植栽、剪定などのアフターメンテナンスまで、一貫してお任せいただいています。

―暮らしの中に植物があることで感じられる心の豊かさというのは、どういう部分にあるのでしょうか。

寺西:何気ない日々のワンシーンであっても、ふと視界にグリーンが入ってくるかどうかで、記憶に刻まれる風景というのは変わってくると思うんです。町を歩く人にとっても、その通りにあるお宅の庭に植栽があるかどうかで、町や通りの印象ががらりと変わる。植物があるだけで特別な空間、風景になるし、植物があることで不愉快な思いを抱く人ってあまりいないですよね。

―手をかける時間も含めて、日々の心持ちやメンタル面への変化もあるのでしょうか。

寺西:実際にクラシスホームで新築のお宅を手がけるにあたって、「植物に興味がない」とか「お手入れが面倒」というお施主さまの声もあると耳にしたことがあります。でも、生活をしていく中で次第に愛着が湧いてきた、という方が大半だと聞きますね。水をあげること、植物の様子を毎日眺めることが習慣になってくると、それだけで生活にリズムが生まれますし、心を整えることができます。新芽が出たり、花が咲いたりと、変化があればなおさらです。植物の生命力や息づかいが感じられて、日常に潤いを与えてくれるのではないでしょうか。

植物の将来像をイメージして植栽をするのがポイント

―その一方で、植物を育てることへのハードルの高さを感じている人もいると思います。

寺西:植物にとって一番大事なのはです。木を植える場所の土がカラカラだったり、カチカチだったり、粘土質だったりと、土台となる土の性質は様々ですし、木との相性も千差万別。その土に、単に木を植えるだけではなく、木に合わせた土にしてから植えてあげることが大切です。例えば私たちが手がける庭では、木を植える土の性質や状況によっては、一帯を掘り起こして土を入れ替えたり、適切な肥料を加えたりします。そうすることで細い根が張りやすい状況をつくってあげるのです。

―虫がつきやすい木など、普段の暮らしに取り入れる上での注意点はありますか。

寺西:私は、育てにくい植物なんてないと思っています。土の性質をはじめ、日当たりや風の通りなどをしっかり考えて植栽してあげれば、それほどメンテナンスに対して過度に不安を抱く必要はありませんよ。

私たちが造園を担当する時、常に心がけているのは、お施主さまが植物を嫌いにならないようにすること。しっかりと責任を持って植栽し、適切なお手入れをしていただけるように、クラシスホームとお施主さまのスムーズなやり取りをサポートできたらと思っています。そうすることで、木と上手に長くお付き合いいただけるようにしたい「やっぱり緑を植えてよかった」と思っていただけるように、設計はもちろんアフターメンテナンスを含めて、クラシスホームを通して、お施主さまとのご縁を大切にさせていただいています。

ご自身で植栽される場合などにも、その木に適した土や気候、場所などを調べてから植えると良いと思います。

―その他、植栽する際に気を付けるべき点やアドバイスはありますか。

寺西:当然ですが、木は大きくなるということを意識していただくと良いと思います。伸びすぎて道や隣家にはみ出し、管理が行き届かなくなり、切らざるを得ないという状況になってしまうことが一番残念なことです。

樹種によって、どのくらい大きくなるのかを知り、将来像をイメージした上で配置を考えるのがコツです。私たちが担当する時も、どのように成長するのか、成長した時の大きさや樹形などを計算した上で、未来の姿を想定して適切な場所に植えることを意識しています。

家族の成長に寄り添いながら、時の移ろいを映し出す

―おすすめの樹種などはありますか。

寺西:「EN’S」では基本的に、外来種は取り扱っていません。植物にとって気候や風土との相性、生まれ育った土地との調和性というのがあると思っています。そういう考えもあり、基本的には日本の植物を中心に取り扱っています。庭に植える植物としては椿やモクレン、ハクサンボクなど、花が咲く常緑樹はおすすめですね。紫陽花なども比較的育てやすいと思います。

―より効果的に、楽しみながら暮らしに緑を取り入れるためのアドバイスはありますか。

寺西:玄関やアプローチ、庭などは、外出する時、帰宅した時に必ず目に入る場所ですよね。そこに緑があるだけで、日々のテンションやモチベーションが変わってくると思うんです。例えばアプローチの植物の中にライトを1つ加えるだけで、朝出かける時と仕事から帰ってきた時に表情が変わり、家に帰ってきたという安心感を与えてくれると思います。

また、季節によって花が咲く、落葉するというような変化のある樹種を選ぶことで、四季の流れを自然に感じられるのも植物ならでは。お子さんがいらっしゃる家庭なら、食べられる実がなる植物を植えると、家族の成長に寄り添ってくれるような植物の経年変化を楽しめます。

観賞用という役割のみならず、時の移ろいを映し出してくれるというのも植物の魅力ですね。

―暮らしに寄り添う植物と、長く上手に付き合うためのポイントは?

寺西:植物を植える時に、庭ができた時が完成形ではないということを意識していただくと良いと思います。私たちが庭づくりを担当させていただく時も、必ず5年後、10年後、15年後などを想像しながら、植栽をしていきます。時の変化によって劣化するのではなく、味わい深さを増していると感じられるような提案を心がけて、クラシスホームとの家づくりに取り組んでいます。

造った時が一番きれいな庭ではなく、例えば石に苔が生えて、土塀が雨に打たれて色合いが変化してくる。木が大きくなり、若々しい緑から少しくすんだような深い緑になっていく。そういう表情の移り変わりや経年変化を楽しんでいただけたら嬉しいです。

―ありがとうございます。前編では、暮らしの中に緑を取り入れることの魅力、緑を感じながら過ごす潤いのある日々についてうかがいました。引き続き後編では、植物や庭と住空間の調和性、住み手が心地よくなる植栽や庭づくりについてお聞かせください。

 

★Profile

寺西 惇さん/株式会社グリーンデザインエンズ 代表

建設業に従事していた20歳の頃、造園業に携わっていた地元の先輩に誘われて造園・植栽の世界へ。植物1本1本の管理や剪定をはじめ、空間を彩る庭の設計から施工まで一貫して担当できる造園の奥深さに魅了され、専門学校へ。ガーデンデザインやインテリアデザインなどを含めたトータルの設計・施工などについて学んだ後、造園会社での修業を経て2009年「GREEN DESIGN EN’S」を開業。全国各地の造園業での修業行脚など幅広い経験と独自のセンスをもとに、造園・植栽の伝統を大切に守りつつ、新しいスタイルの空間づくりを展開。愛知県稲沢市のショップの他、名古屋市丸の内の「atelier/en’s」を拠点に、感度の高い若者たちにも親しみやすいような、アパレルとグリーンが調和した新感覚のライフスタイルも提案する。

 

クラシスホームで家を建てられた方の住まいが見られるHPの『施工実例』では、植栽にこだわった実例も紹介。植物のある暮らしへの第一歩にお役立てください。

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